インプラントが歯周病になりやすい理由

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インプラントをしている方は歯周病になりやすいといわれているのはご存知でしょうか。

これからインプラント治療を考えている方は、ぜひその理由を知っておくとよいでしょう。

 

 

日頃の歯磨きや定期検診が予防には重要

歯周病は、今や日本人の8割がかかっていると言われる病気だということは、あまり知られていません。実は口の中だけでなく血管に菌が入り込むと、最悪死に至る病気に発展する可能性もある怖い病気です。

 

1.歯周病とは

歯周病とは歯と歯肉の間の歯垢に停滞した細菌により歯肉が炎症を起こし、赤くなって腫れる症状です。

 

2.歯周病が全身に起こす影響

歯周病は、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こす原因にもなります。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出ることで、血管内にプラークと呼ばれる沈着物ができます。

プラークが血管を塞ぎ、心臓に血液が行かなくなると心筋梗塞、プラークが脳の血管に詰まると脳梗塞を引き起こす可能性あるので気を付けなければなりません。

 

3.歯周病セルフチェック

口の中だけに留まらず、様々な病気の原因になる可能性がある歯周病。

あなたは大丈夫かどうか、あげていますのでセルフチェックをしてみましょう。

 

・朝起きたとき、口の中がネバネバする

・歯磨きの際に出血する

・口臭が気になっている

・歯肉にかゆみ、痛みがある

・歯肉が赤く腫れている

・かたい物が噛みにくい

・歯が長くなったような気がする

・前歯が出っ歯になった、歯と歯の間に隙間がでてきた

・食物が挟まる

 

以上です。

○〜3つあてはまるという方は予防することを心がけましょう

○〜6つあてはまるという方は歯周病が進行している可能性が高いと考えられます。

○全てあてはまるという方は歯周病の症状がかなり進行している可能性が考えられます。

 

セルフチェック結果はいかがでしたか。

当てはまる個数が多かった方は、早めに歯科医院で検診を受けることをおすすめします。

 

4.歯周病予防について

歯周病の原因はプラークや歯石などの磨き残しです。

予防・対策には正しい歯磨きが何よりも大切なので、丁寧なブラッシングを心がけましょう。

また、磨き残しやすい歯の隙間の掃除には、糸ようじやフロスの使用も効果があるので、積極的に使用していきましょう。歯周病は放置するととても怖い病気ですので、日頃の歯磨きや定期検診を習慣づけていきましょう。

 

 

インプラント周辺の歯肉は細菌感染しやすい

インプラントの歯は虫歯になりませんが、その代わり歯周病になりやすいと言うリスクがあります。

せっかくの歯を長く使うためにセルフケアやメンテナスは欠かさないようにしましょう。

 

入れ歯やブリッジよりも天然歯のような使用感を味わえるのがインプラントです。

大変素晴らしい技術ですが、やはり天然の歯とは違う点があるということを知ってください。

 

まず、天然の歯には歯根膜という組織があり、それが血液を供給することで細菌に対する抵抗力が高まっています。

しかし、インプラントには歯根膜はありません。

そのため、周辺の歯肉の抵抗力が落ちて細菌に弱くなり、感染しやすいことが一般的です。

歯周病菌も細菌の一種なので結果、インプラントの歯は天然の歯よりも歯周病のリスクが上がってしまうのです。

 

また、インプラントの歯は虫歯になることはありませんが、歯周病が悪化すると天然の歯と同じように歯を支える骨が溶けてしまい歯が抜けることもあります。

歯周病は重症になると心筋梗塞・動脈硬化・肺炎・早産などを引き起こす大変恐ろしい病気です。それを防ぐためにもセルフケアとメンテナスをしっかり行うことが大切です。

 

 

インプラント自体が抜け落ちて駄目になってしまうこともある

インプラントはチタンとセラミックで出来ているので、虫歯になることはありません。

しかし、「インプラント周囲炎」という状態になるので注意が必要です。

 

これは歯周病と同様の状態で、歯垢の中の細菌が毒素を出し、インプラント周囲の歯槽骨を溶かしてゆき、歯周病を起こして土台の骨が溶けてしまいます。進行するとインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。

インプラントの方が天然歯より歯周病になりやすいといわれています。天然歯の歯根には歯肉との間に歯根膜があり、血液による栄養供給が行われ、抵抗力を高めているのですが、インプラントにはその働きが無いためです。

 

以上のことから、インプラントはよりケアやメンテナンスが重要になります。

ケアとは自身による歯磨きのことであり、磨き残しが歯垢にならないよう丁寧に行わなくてはなりません。

それでも完全には取りきれないので、3ヶ月に1度は歯科受診をして歯のクリーニングをすべきです。

歯周ポケットの歯垢を専用の器具で取り除くスケーリングという治療を行ってください。

 

 

インプラントを綺麗に保つためには定期検診など天然歯と変わらないケアが必要

インプラントは虫歯にならないのでメンテナンスを疎かにしていませんか。

インプラントも歯周病になってしまうとせっかく高額な治療費を払ったのに長く使えなくなるので、そうなる前にきちんと日々のメンテナンスを行いましょう。

 

綺麗に保つためには天然の歯と同じく、毎日のメンテナンスおよび、専門医による定期的な検診が必要になります。

インプラントは骨に埋め込む部分はチタンという金属からできており、素材的な考え方からすると、半永久的といえるでしょう。

 

歯の部分となる上部構造はセラミックなどでできているので、絶対に虫歯になることはありません。しかし、歯周病になると長持ちさせることが難しくなります。

歯周病になってしまうと炎症が起こって、ひどくなると骨が溶けてしまってインプラントを支えることができなくなってしまうからです。

 

そのため、クリニックでの定期検診や自分での日々の歯磨きが重要となります。

きちんとメンテナンスしていればインプラントを15年、20年以上持たせることは十分可能です。日々の歯磨きを怠らない、定期的に歯医者に行ってメンテナンスを行う、定期検診は必ず受ける、といったことがとても重要です。

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