部分矯正なら低コスト!気軽にできる部分矯正治療とはどのようなもの?

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皆さんは、歯列矯正に対して「歯全体を一気に矯正しなければいけない」という印象を持っていませんか。歯列矯正の経験がある方や、町で歯列矯正のためにブラケット器具を装着した方を目にした経験のある方は、歯列矯正とは歯列全体を一気に矯正するものであるという印象を持つことが多いようです。

 

歯列矯正は、一気に上下全ての歯列を矯正しなければいけないというわけではありません。費用や歯列の状況、患者様の希望に合わせて、一部の矯正をするという「部分矯正」という方法もあるのです。低コストで気軽にできる歯列の部分矯正治療についてお話します。

 

■部分矯正とは?よくある部分矯正への疑問を簡単解説

 

歯列矯正というと、どうしても上ないしは下の歯にワイヤー(ブラケット)を装着し、歯列そのものを治療するという印象があるようです。特に、子供の頃に歯列矯正をして現在は大人になっている方や、歯列矯正治療を経験したことのない方に、こういった印象があるようです。だからこそ、歯列矯正治療には「一気に歯列を治療するから高額になるのでしょう?」「歯列そのものを治療するからこそ長期間器具を装着して、歯科医院に足を運ばなければならないの?」という疑問が頻出します。当院でも、歯列矯正治療を希望される患者様からよくご質問を受けます。

 

実は、歯列矯正治療は、必ず歯列全てを治療しなければいけないという治療ではありません。部分的な治療も可能なのです。患者様の希望によって、前歯や奥歯、特定の歯が含まれる部位などを矯正することもできます。この部分的な歯列治療のことを「部分矯正(部分的な歯科矯正治療)」といいます。

 

上の歯列と下の歯列どちらか、あるいは上下どちらかを矯正治療する場合が、皆さんが一般的に連想する歯列矯正治療になります。対してこの部分矯正は、「前歯だけお願いします」「歯が一本だけ飛び出すようになっているので治療したい」という要望に即して行う矯正治療です。

 

「部分矯正はどんな矯正法で行われるのか」「費用や治療期間はどのくらいなのか」そして「どんなケースにおいて部分矯正が向くのか」といった、部分矯正によくある疑問点を明快にします。

 

  • 部分矯正の矯正治療方法とは

 

部分矯正の治療法は、歯列全体の治療と大差ない治療法です。歯の一部に器具などを使い、部分的に矯正を行います。マウスピースでの矯正も可能です。通常の「歯列全体を矯正する治療の一部版」と考えるとわかりやすのではないでしょうか。

 

治療の流れも、歯列を矯正する場合と大差ありません。マウスピースなどの矯正器具によって矯正を行い、定期的に歯科医院へと足を運んでもらうことにより器具の調整を行ったり、歯の状況をチェックしたりします。治療の流れも、「歯列全体の矯正治療の規模縮小版」と考えていただければわかりやすいのではないでしょうか。

 

  • 部分矯正のメリットとは

 

歯列矯正は一般的に上の歯列だけの治療と上下セットでの歯列矯正では、後者の方が高額になりがちです。歯列の状況によって歯列矯正治療以外の処置も必要になるため一概には言えませんが、歯列矯正治療には「矯正する部位が増えると高額になる」という特徴があります。また、歯列そのものを矯正しようとすると、治療に長期の時間が必要になります。治療する部位が少なくなると、それだけ治療期間が短くなるという傾向があります。

 

また、前歯などの人の目に見えるところだけを矯正することもできるため、早く審美面を改善したいという方も、年単位の治療期間を見込むことなく、比較的短期で審美に関わる見える部分の歯を治療できるというメリットがあります。

 

費用をおさえることができる。短期で治療を終わらせることができる。早期に審美的な面で改善を見込むことができる。部分矯正には、以上のようなメリットがあります。

 

  • 部分矯正のデメリットは?

 

部分矯正には「歯列全体を矯正するより短期でできる」「費用をおさえることができる」「急ぎで審美面を改善できる」といったメリットがある反面、デメリットもあります。デメリットとは「口腔内やお口周りのトラブルが完全解決できない」「歯のずれが起こる可能性」「別のトラブルを起こす可能性がある」というものです。

 

歯列矯正は矯正をしながら上下の歯の噛み合わせや全体のバランスを確認しながら進めます。噛み合わせが悪いと頭痛や肩こりの原因になったり、将来的に歯の亀裂や顎の骨の歪みの原因になったり、顎関節症などに繋がる可能性があります。将来的なリスクや口腔とお口周りの健康を考えて歯列矯正治療が進められます。ただ、これはあくまで全体の歯列矯正を行った場合です。

 

一部だけの歯列矯正だと、歯全体のバランスを取ることが難しくなります。あくまで患者様のご希望の歯の矯正が中心となりますので、その歯の中心はなるべく噛み合わせがよくなるよう、バランスが取れるように処置しますが、あくまで部分的なものになります。よって、一部矯正によって口腔内の歯列のお悩みが解消されるというわけではありません。歯列全体が乱れているという場合は、部分矯正だけでは対処できません。

 

また、一部だけを矯正することにより、将来的な健康リスクや、歯列がずれてしまうといったリスクもあります。一部のみを処置することにより、顎や歯に力がかかってしまい、痛みの原因になることがあります。また、部分矯正はあくまで「特定の部分だけの矯正」であるため、治療した部位を含めた歯の使い方によっては、歯列のずれに繋がってしまうことがあります。

 

一部矯正にはメリットもある反面、デメリットもあります。歯列全体を矯正した方がいいのか、それとも一部矯正でも対処できるのかは、それぞれの患者様の過去の治療状況や歯列の状況、お口の中の状況によります。

 

  • 部分矯正はどんなケースに向くの?

 

部分矯正は、「過去に歯列矯正をしたことがある」「歯並び全体は悪くないが、歯の一部だけ矯正が必要」「歯を矯正したいけれど、費用をおさえたい」といったケースにおいて向く治療法です。

 

過去に歯列矯正治療を受けていても、歯や顎の使い方によっては歯列が乱れてしまうことがあります。また、加齢により歯が抜けてしまったり、虫歯や歯肉炎によって歯のダメージや傾きが発生していたりすると、悪い部分を起点に歯列が乱れてしまうことがあるのです。一度歯列矯正治療をしても、その後の口腔内の状況によっては、再度歯列矯正治療が必要になることがあります。再度の歯列矯正治療の場合、歯の状況を見て全体を矯正する必要や、インプラントなどの別の治療法が向く場合もありますが、歯列の一部のみ矯正することで対処できるケースも多々あります。このようなケースでは、部分矯正が効果的です。

 

また、歯並び自体は問題ないけれど、一部の歯のみ問題があるというケースでも、部分矯正で対処できることがあります。その一部の歯のみ矯正すればいいわけですから、歯列全体を高額な費用をかけて治療する必要はありません。ただし、自分では一部の歯だけが問題だと思っている場合でも、歯科医師が診察すると問題が歯列全体であることも少なくありません。

 

費用や歯列の状態、過去の治療状況などを踏まえて一部矯正で対処可能かどうか、歯科医師と相談しながら治療することをお勧めします。

 

  • 部分矯正が向かないケースとは

 

部分矯正を希望しても、部分矯正を推奨できないケースもあります。「部位の矯正ができない場合」や「全体を矯正した方がいいと歯科医師が判断した場合」「一部を矯正しても、すぐに矯正治療し直しになる場合」がこれに当たります。

 

例えば、前歯だけ矯正して、笑顔を綺麗にしたいと患者様が希望なさったとします。しかし、歯列をチェックすると、前歯だけ矯正することが難しいと歯科医師が判断しました。前歯が傾いではえているケースでしたが、前歯を正常な位置に矯正するための歯のスペースが足りなかったのです。このような状況では、一部だけを矯正したいという希望があっても、歯の状況によって一部だけの矯正が難しくなります。歯のスペースを調整するためには、歯列全体を矯正しながら、歯科医師が調整する必要があります。部分矯正だけでは難しいという判断です。

 

一部矯正が可能ではあるが、矯正してもすぐに矯正し直しになる可能性があるケースでも、一部矯正は向きません。

 

  • 部分矯正に必要な治療期間と費用は?

 

部分矯正の期間は歯の状況にもよりますが、半年ほどが目安になります。歯列全体を矯正する場合は年単位の期間を見なければいけませんが、部分だけを矯正するだけなら、全体の矯正治療よりも治療期間が短くなります。

 

費用は、部分矯正に入る前に別の処置が必要かどうかによっても変わります。矯正期間によっても変わりますので、一概に「これくらいの金額」と断定することはできません。大よその目安で、歯列全体を矯正した場合の2/3程度と言われます。ただ、前述したようにかなり個人差があるので、「上の歯列全体の矯正で60万円くらいと言われたから40万円だ」と単純に算出できるものではありません。

 

治療費については、歯列の状況を歯科医師にチェックしてもらった上で、見積もりを作ってもらったり、大体の目安額を教えてもらったり等の方法をお勧めします。美容や審美目的の歯列矯正では医療費控除(国税庁HP)や国民健康保険などの各保険を使うことはできません。ただ、不正咬合の歯列矯正を目的とする場合などには、対象になる場合があります。費用については治療がはじまる前に明確にしておきましょう。

 

■最後に

部分矯正とは、歯列全体ではなく、歯のごく一部を矯正する治療法です。方法は全体的な歯列矯正と同じく、マウスピースなどの歯列矯正用の器具や道具を装着して治療する方法が一般的です。費用も歯列全体を矯正するよりおさえることもでき、治療期間も歯列全体の矯正治療より短期で済むというメリットがあります。また、前歯などの審美面で特に重要な目に見える部分の歯をお手軽に矯正できるというメリットもあります。

 

ただし、一部矯正ができないケースや、推奨されないケースもあります。まずは歯科医師に歯の状況をチェックしてもらい、一部矯正が可能かどうか、全体矯正の方が向くのかどうかを確認しましょう。一部矯正治療への疑問や、歯列矯正治療への疑問などがございましたら、お気軽に当院へご相談ください。

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