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第2回 「歯の最新治療」

最適化は、誰も望むところですが、実際には個々人の治療しなければならなくなった原因がそれぞれ違いますので、同一にならないのが普通です。その中 でも共通する考え方は、できるだけ「抜かない」「削らない」治療がいいわけです。虫歯にしないで、歯を長く健康に保つため、また、歯周組織をよりよい状態 に保つため、予防こそが、「最適な治療」といえるのではないでしょうか。それに使用する材料はもちろん身体に害のない生体にやさしいものでなければならな いと思います。最近、注目を集めているのが審美治療です。より機能的で美的な治療のことです。メタルだと美的にも劣る面があり、偏磨耗して再現性がありま せん。もちろん金属アレルギーの人は使えませんから、費用は少し高価ですがセラミックス(陶材〉にする人が多くなってきました。ビジネスマンの方が歯の治 療をしようと思ったときに、なにが一番問題かというと、治療にかかる時間なんですね。時間がかかりすぎるわけです。その治療時間を短縮するのが今回お話し するCAD/CAMシステムによるセラミック治療です。

健康への誘い
歯の治療にもCAD/CAM
これまでのセラミックを使った治療は費用もかかるし時間もかかります。オールセラミック治療は、治療箇所の歯 型をとってそれをドイツに送って、セラミックの内冠ができてくるまでに2週間ほどかかります。費用も1本15万円前後です。新しいセラミック治療では、1 本の歯を削り出すのに十分な大きさのセラミックインゴット(かたまり)を歯科用のCAD/CAM(コンピュータによる設計・加工)システムを使って、その 場で削り出して患者さんの口の中に装着します。「CEREC3D」(ドイツのシローナ社製)というシステムですが、これを使うと1本の歯を10分前後で削 り出すことができます。治療部位の大きさにもよりますが、削って、3次元カメラで歯型をとって、削り出して装着するまで、最短で2時間の治療時間ですむよ うになります。従来の治療日数と比べると革命的な短縮になります。費用も1本の内冠が6万円程度ですから、従来の1/3です。今後、こういったシステムが 新たな治療の流れを作っていくと思います。
咬合様式に合わせるのが治療
削り出したままで治療箇所に内冠を装着できるわけではありません、その人の咳合様式にあった歯の咬み合わせに調整するのが、私たち歯科医師の大切な役割で す。削り出されたままでは口の中でなじみがよくありませんから、手で研磨して感触をなめらかにする必要があります。そのためにここでは歯型(システム上は 必要ない)をとっているわけです。まだ、このシステムを臨床に導入しているところは少ないですから、情報を聞かれた患者さんが南は九州、北は北海道からお いでになります。飛行機を使っても1日で治療ができることから、この治療法を選択されたのだと思います。もちろん結果は良好です。こういった情報を知った 上で自分の生活様式に合った治療法を選択することも患者学の一つだと思います。
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